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#181 省エネ住宅のその先にあるもの

スウェーデン本国の住宅

 

Tjena!

 

今回は、住宅づくりにおいて、とても大切なこと

・・・についてお話したいと思います。

 

日本では、現在、省エネ住宅に取り組んでいますね。

 

省エネ住宅とは、簡単に言うと、可能な限り少ない

エネルギー消費(暖房・冷房費)で、快適な住環境を

実現しよう・・・というものです。

 

現代社会では、暖房や冷房の使用が前提となって

いますので、そのため住宅には、高い断熱性能や

気密性能が必須条件となっています。

 

思えば、高断熱・高気密といった言葉が日本で

使われ始めたのも2000年以後のことですね。

 

それまでは、外壁や天井、床に断熱材を充填する

のは珍しく、窓も1枚ガラスでした・・・。

 

これに対し、北欧や北米では、高断熱・高気密仕様の

住宅がすでに確立しており、スウェーデンは1980年代に、

外壁の断熱材の厚みが20cm3層ガラスの窓に熱交換型

換気システム・・・と、現在の日本を上回る省エネ住宅が

次々と建設されていたのです!

 

この点で見ると、日本は、欧米に30年以上の遅れを

とっている・・・といっても過言ではありませんね。

 

スウェーデン本国の住宅

 

私がスウェーデンに渡ったのは、2000年です。

当時は、住宅先進国と呼ばれるスウェーデン住宅の

性能とそのつくりを学ぶことが一番の目的でした。

 

スウェーデンでは毎週末、中古住宅の広告がたくさん

配布されてきました。日本でいう中古車のようです。

 

中古住宅の築年数は、30年や50年、100年を

超えるものまであります。最も驚いたのは売値です!

新築と、ほとんど変わらないではありませんか!

 

実は、スウェーデンの住宅は、日本と同じ木造で

ありながら、耐用年数が100年以上にもなります。

日本は・・・というと、2530年ですね・・・。

 

スウェーデン本国の住宅

 

住宅本体だけでなく、それを構成している建材、

木製の窓やドア、木製の階段やフローリング、造作材と

個々の建材の耐用年数もまた、30年や50年以上が

想定された「つくり」となっているのです!

 

ですから、築30年の住宅を見学しても、日本のように

古さを感じない現役で、高値で売買されていくのです。

スウェーデン(欧米)において住宅は、「資産」でもあります。

いい住宅であるほど、高い価値が形成されて行きます。

 

こうして見ると、どうしてスウェーデンの住宅や

建材が、そこまでのつくりや性能をしているのか?

どうして欧米人は、休みの日に、家のリフォームを

自ら行なっているのか?・・・簡単に理解できますね。

 

スウェーデン本国の住宅

 

日本が取り組んでいる省エネ住宅も、その先があって、

住宅の省エネ性能は、実は、資産価値を高める要素の

一つに過ぎない・・・ということです。

 

世界一地震に強い家が作れる日本も、未だ、住宅後進国と

呼ばれる「ゆえん」はここにあるのです・・・。

 

  ∞・∞・∞・∞・∞・∞・∞・∞・∞・∞・∞・∞

 

* Tjena! は、スウェーデン語で「どうも!」の意味です。

 

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author:Akio Kanaida, category:住宅と資産価値, 09:00
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#139 空き家が増加する背景

空き家率の長期予測

 

Tjena!

 

今回は、興味深い資料をご紹介します。

新聞*で見かけた住宅の数と空き家のグラフです。

*日本経済新聞:2016103日)

 

資料*によると、総住宅数は、1978年より

ほぼ比例的に増え続け、今後も2033年まで

一定の割合で増加してく予測です。

*空き家率の長期予測:野村総合研究所)

 

つまり、新設住宅着工戸数は減ったとしても

毎年、確実にある一定量が新築されていきます。

 

これに対して、空き家率を見てみると、

1978年より緩やかに増加して、現時点で15%。

しかし、ここから加速度的に増加して、

2033年には30%まで達してしまいます!

 

これは、あくまで、現時点での長期予測ですが、

実に、34軒に1軒は空き家になる・・・

という状態です。恐ろしく異常な現実ですね。

 

しかし、考えてみれば当然で、人口が減少していく

わけですから、必要な住宅数も減っていきます。

 

そんな状況で、毎年、ある一定量が新築されれば、

単純計算でも、新築数以上の既存の住宅には、

住む人がいなくなる・・・ことは明らかです。

 

このグラフを見ても、「総住宅数 空き家」の数は、

縮小されていきます。当然の関係性ですね。

 

しかし、ここで注目すべき事は、空き家が

加速度的に増加してしまう、その背景です。

どうしてこのような事態が起こるのでしょうか?

 

現在、日本の住宅の寿命(耐用年数)は、

25年〜30年と言われています。

 

しかし、築30年以上経過した中古住宅が、

すべて壊されているか?というと、そうでもなく、

このグラフが意味する現実は、ほとんどが、壊されず

そのまま放置され、「空き家」としてストックされます。

 

家が建っていれば、土地の固定資産税の負担が

少なくて済む・・・といった税制上の問題で、

人が住めないほど老朽化した住宅もあるものの、

かなりの住宅が、実は、まだまだ使える状態で、

壊すほど老朽化していないのではないでしょうか?

 

私たちが今取り組んでいる長期優良住宅は、

その名の通り、長期的に優良な住宅・・・

という意味で、さらに長持ちする家です。

 

長期優良住宅では、耐震性や省エネ性といった性能も

大切な事ですが、長期的に優良な住宅・・・であれば、

親から子へ、人から人へと世代を超えて住み継がれる

ことが本来の意味である事を忘れてはいけません!

 

この後半部分がしっかり理解されていないと、

長期優良住宅は、空き家率をさらに押し上げ、

しかも住宅の寿命(耐用年数)は上がらない・・・

といった危険性が十分にあるのです。

 

私たちは、「空き家」ではなく、「住む家」を

ストックして行かなければならないからです。

 

  ∞・∞・∞・∞・∞・∞・∞・∞・∞・∞・∞・∞

 

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#136 サステナブルな住宅

スウェーデン本国仕様の住宅

 

Tjena!

 

サステナブルな住宅って、どんな住宅でしょうか?

 

直訳すると、「持続可能な住宅」となります。

「サステナビリティ」の方が有名かもしれません。

簡単にいえば、環境や社会に優しいという事です。

 

住宅づくりでは、これまで、火事に強い家、

地震に強い家、省エネの家・・・といった価値観が

主体でしたが、これからは、もっと根本的な

住宅の存在意義から考え直す必要がありそうです。

 

というのは、サステナブルな住宅や建築への

取り組みがどんどん増えてきているのです!

 

例えば、住みやすい都市を設計するだけでなく、

都市として自立し、持続可能な環境都市を目指した

先進的環境都市がすでに実在しています。

 

スウェーデンのハンマルビー・ショースタッド

Hammarby Sjöstad)です!

 

ここでは都市レベルで、雨水の再利用、回収ゴミの

燃焼熱で地域暖房、バイオガスでバスを動かしたりと、

サステナブルな都市づくりが実現されています。

 

日本でも、次世代型コンセプトと呼ばれる

「サステイナブルコミュニティ(持続性のある住宅地)

という発想で、資産価値の高まる集合住宅づくりが

すでに実在しているのです(福岡県)!

 

それでは、個々の住宅はどうでしょうか?

高断熱住宅やパッシブハウスで有名なスウェーデンも、

住宅哲学の根本は、「サステナビリティ」にあります。

 

地球上に生かされている私たちは、本来、

その資源を好き勝手に大量消費してはいけません。

そうすれば、自然界のバランスが崩れて、

植物や人間を含む動物も滅びてしまうからです。

 

つまり、人間が住まいを作る行為において、

地球の自然や資源に負荷のかからない、環境や社会に

優しいものでなければ持続していかない・・・

といった現実です。したがって住宅づくりでは、

 

1 再生可能な資源を使うこと

2. できるだけ長持ちさせること

3. エネルギーをあまり使わないこと

4. 世代を超えて受け継げるもの

 

といったことが根本にあって、住宅が設計され、

それを構成する個々の建材まで作られているのです。

 

1. … 木を主体とした建材

2. … 100年以上の耐用年数

3. 高断熱・高気密、熱交換型換気システム

4. … 資産価値を生み出す住宅

 

日本の長期優良住宅や200年住宅なども、

本来の起源は、同じくここにあるはずです・・・。

 

「サステナビリティ」といった目に見えない価値観を

どのように実現していくかはアイデア次第です!

 

例えば、日本の住宅にサステナブルな建材として、

スウェーデンの木製窓や木製ドア、木製階段、

パイン無垢フローリングや造作材等を組み込んだ

住宅づくりもすでに始まっているからです。

 

  ∞・∞・∞・∞・∞・∞・∞・∞・∞・∞・∞・∞

 

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#135 1800年代の住宅

1800年代の住宅

 

Tjena!

 

住宅の耐用年数が100年以上のスウェーデン。

市場には、1800年代の住宅も現役で売買されています。

新築と同等以上の価値を有する住宅とは、

一体どんな感じなのでしょうか?

 

ちょうどスウェーデン人の知人が、

そんな家を購入しリフォームして住んでいる・・・

との事で、内部を見学させてもらいました。

 

外観は、古い家と感じるものの、築200年近く

とは思えないほど、しっかりした印象です!

木製の外装材は、すべて再塗装が施され、

スウェーデン伝統色の水色とエンジ色、白色で

ペインティングされています。

 

このような奇抜な配色で、現代もなお、落ち着いた

佇まいを見せる技が、北欧デザインなのでしょう。

 

外観は、シュンメトリー(左右対称)で、

正面からは1階建に見えるものの、実は、2階建で、

この時代に多く見られる独特な形状です。屋根にある

二つの煙突は、暖炉用とキッチンストーブ用で、

共に薪を燃やして今もなお使っています。

 

1800年代の住宅

 

2階のファミリー用リビングは、低い勾配天井ですが、

ソファーに座れば丁度よく、居心地の良い空間です。

中央の大きな白い壁は、内部に煙突が通っています。

 

1800年代の住宅

 

パインパネルが張られた天井に大きな照明はありません。

スポットライトやフロアーランプによる間接照明で、

光を重ねて明るさを調整しているのです。

 

家の外壁は厚く、窓際には棚ができます。

その窓台には、観葉植物や照明、小物などを飾り付け、

季節やイベントに合わせて衣替えしています。

 

 

木製のキッチンキャビネットは、スウェーデンの

伝統的なブルー色で再塗装されています。

赤色に塗られた椅子がアクセントになっています。

 

ダイニング脇に古いキッチンストーブがあります。

薪を使って暖をとるだけでなく、本格的な調理もでき、

頻繁に起こる停電の時には大活躍だそうです!

 

 

こうして見ると、1800年代の住宅でも、

現代の新築にはない魅力がたくさんあって、

十分にまだまだ住んで行ける家だと実感します。

 

知人の夫婦は、この家を購入後、リフォームが

すべて完了してから住み始めたのではなく、

住まいながらリフォームをし続け、少しずつ現在の

状態まで持ってきたとの事でした。

 

「住宅の資産価値は、どのように形成され、

どのように高まるものなのですか?」とよく質問されます。

 

例えば、この家を体感した時、この内容であれば、

お金を払ってでも、十分に買う価値ある住宅だと感じました。

まさにこれが、資産価値の生まれた瞬間であり、

売買が成立すれば、その値段が、資産価値となります。

 

ところで、その後、この知人に会ってビックリしました!

 

あの魅力的な1800年代の住宅は売却してしまい、今は、

すでに新しいマンションを購入し住んでいるとの事でした・・・。

「かなり高く売れたんだよ」とこっそり教えてくれました。

 

資産価値が高まる現実を肌で感じた瞬間です。

 

∞・∞・∞・∞・∞・∞・∞・∞・∞・∞・∞・∞

 

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#125 住宅評価制度 その3

スウェーデンの住宅

 

Tjena!

 

前回は、住宅の資産価値を評価する「基準」として、

住宅の「投資額」をご紹介しました。

 

これまで住宅に費やした投資額、つまり、新築費用と

現時点までの修繕費等の合計を基準とし、それに対して

資産額(資産価値)を比較・・・でしたね。

 

欧米: 投資額 ≦ 資産額(資産価値)

日本: 投資額 > 資産額(資産価値)

 

欧米では、投資額に対して資産額が同じ、または、

上回っています。住宅が資産化されています。

 

一方、日本では、投資額より資産額が下回っています。

どのくらい下回っているのか?というと、

 

国民経済計算(内閣府)によれば、2010年で、

投資額の累計が約850兆円、資産額の累計が約350兆円と

投資額に対し、資産額は40%程度なのです・・・。

 

投資額は年々比例的に増加していますが、

資産額は1980年ごろまでは、投資額とほぼ同じく増加

していたものの、その後、資産額は頭打ちで、

2010年まであまり変わらず、つまり、投資額と

資産額とはどんどん広がっています・・・。

 

分析によれば、この原因は、

 

1. 市場価値の低さ

2. 減失率の高さ

 

とあります。これらをまとめると、日本は、

どんどん住宅を新築する一方、中古住宅は売れずに残り、

住み手が付かず、後に壊されていく・・・状態です。

 

実は欧米も、どんどん住宅は新築しているのですが、

資産額がそれを追従し上回る勢いで伸びているのです!

 

どうしてこんなにも差が出てしまっているのでしょうか?

どうすれば、日本も資産額を上げられるのでしょうか?

 

私は、スウェーデンで、この資産価値が形成される

メカニズムを実際に肌で感じてきました。

住宅の資産価値は、デザインや性能だけでは上がりません。

その証拠に、優れた住宅は、たくさん日本にもあるのに、

なぜか資産価値は形成されてませんよね・・・。

 

資産価値を上げるには、そのメカニズムを正しく理解し、

焦点を絞って対処していくことが大切です。

 

まず、資産価値は、売り手が決めるものでもなく、

インスペクションを行う認定機関が決めるものでもなく、

その住宅を購入する「買い手」が決めるものだということです。

 

誰かがその中古住宅を購入し、そこで初めて、

価値が発生します。そして、価値の大きさが購入金額であり、

「買い手」が判断し認めた資産価値となるわけです。

 

スウェーデンの住宅図面

 

スウェーデンでは、築30年の中古住宅に、新築同等の

金額を支払う人がいます。その住宅は、デザインも性能も

(スウェーデンでは)標準的なものです。

 

では、何が、日本の中古住宅と違うのか?というと、

明らかに違うのが、住宅(建材)の経年劣化程度です!

30年も経っているのに劣化がほとんどなく、逆に、

深みと味わいが出ている程です。

 

木造住宅の耐用年数が100年以上のスウェーデン。

30年はまだまだ現役。住宅(建材)の耐久性、

このレベルが全く違うのです!

 

  ∞・∞・∞・∞・∞・∞・∞・∞・∞・∞・∞・∞

 

* Tjena! は、スウェーデン語で「どうも!」の意味です。

 

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