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#096 どこまで下がる窓の熱貫流率
スウェーデンでの霜

Tjena!
 
ついこの間まで、住宅にほとんど断熱をして
いなかった日本も、高断熱・高気密住宅が一般化され、
現在はさらなる省エネ仕様へと移行していますね。
 
特に、開口部である窓は、住宅全体の熱損失に対し、
冬の暖房時で約40%、夏の冷房時で約60%と、
住宅の断熱性能を大きく左右する建材ですので、
窓の断熱性能は、最も大事!とも言えます。
 
そんな窓の断熱性能を表す「熱貫流率」を見てみると、
例えば、日本がよく使っていた、アルミサッシの
単板ガラス(1枚ガラス)では、6.5 w/m2kです。
 
これは、外と室内とに1k(℃)の温度差があった場合、
1m2当たり6.5wの熱量が移動する・・・といった
意味なので、この値が小さいほど、熱が逃げない、
つまり、断熱性能が高いことになります。
 
これが樹脂サッシのペアガラス(Low-E)になると、
熱貫流率は、2.8 w/m2kになります。アルミサッシの
単板ガラスに比べ、2倍以上の断熱性能です。
ちなみに、日本の省エネ基準における最高等級が
熱貫流率2.33 w/m2k以下の窓となっています。
 
これに対し、スウェーデンの木製窓は、
3層ガラスが標準で、一般的な窓で1.1 w/m2k程度、
断熱性の高い窓で0.8 w/m2k程度にもなります。
このレベルだと、日本で最高等級とされる窓よりもさらに
3倍近くも高い断熱性となってしまうのです・・・。
 
しかも、ガラスの仕様を変えるだけで、
実は、もっと高い断熱性能さえ可能なのです!
熱貫流率も0.70.60.5 w/m2kとどんどん
下げることが技術的に可能な時代となっています。
 
しかし、熱貫流率も0.8 w/m2kが現実的に適当だ!
とスウェーデンの窓メーカーは話しています。
なぜなら、あまりにも熱貫流率を下げすぎると
(断熱性能を上げすぎると)、窓ガラスの外側に
「霜」が付着して、外が見えなくなってしまう・・・
といった現象が起きてしまうからです。
 
これはどういうことかというと、例えば、
ものすごく寒い冬の朝、スウェーデンでは住宅の
外壁に霜が付着することがあります。
 
外壁の霜

外壁の断熱性能が高いがゆえに、室内の熱
(例えば22℃の室温)が外側まで伝達せず、
外壁の外側が冷えて霜が付着するのです。
 
スウェーデンでの霜 スウェーデンでの霜

これに対し、窓は外壁ほど断熱性能が高くないので、
室内の熱が窓ガラスの外側まで伝達し、霜が着くこと
がありません。ちなみに、スウェーデン住宅の外壁の
熱貫流率は、だいたい、0.2 w/m2kです。
 
スウェーデンのパッシブハウスにもなると、
外壁は0.1 w/m2k程度のレベルになるので、
ロックウールの断熱材だと40cm厚にもなります!
ただ、窓は熱貫流率が0.9 w/m2k以下とあります。
 
熱貫流率とは、技術的にはかなり下げられても、
人が生活する住宅として考えると、現実的に
適当な限界がある・・・ということですね!
 
  ∞・∞・∞・∞・∞・∞・∞・∞・∞・∞・∞・∞
 
* Tjena! は、スウェーデン語で「どうも!」の意味です。
 
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author:Akio Kanaida, category:3層ガラス木製窓, 09:00
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#022 木製窓の耐久性
木製窓

Tjena!
 
木製窓というと、自然素材のため狂いがひどくすぐに腐ってしまい、
燃えやすい・・・といったイメージが日本でありますが、
これは恐らく、木製窓の文化が戦前のまま止まっているからでしょう。
世界でも先端を行くスウェーデンの木製窓を見るとその進化に驚かされます。
スウェーデン人は今でもなお木製窓の可能性を追求し続けているのです。

 ここでは、私が実際にスウェーデンの窓職人から聞いたお話をご紹介します。

「まず、窓本体の性能を決めているのは、枠材に使われているパイン
(赤松)である。どこ産かを聞けばその窓のレベルがわかる。
 
スウェーデンパインでも北部産をわざわざ使っているメーカーは信頼できる。
続いて枠材の処理方法だ。外側を木で使うのであれば、防腐処理を表面に
塗っているか、それとも、加圧注入で中まで浸透させているか確認しなさい。
仕上げ塗装は、現場でなく工場塗装を勧める。工場では、静電塗装といった
特別な処理をしているため、仕上がりが全く違うからだ。」

スウェーデン北部産パイン 外側アルミ被覆

続けてこう教えてくれました。
 
「こうして作った木製窓の耐用年数は30年以上にもなる。
木製窓がどこから弱ってくるか知っているか?
それは窓の外側からだ。日射と雨風に直接さらされるため、
やはり外側は塗装をまめに繰り返す必要がある。
だから外側アルミ被覆といった木製窓が開発されたのだ。これなら
耐用年数は50年以上にもなり、防火性も上がるからね。
木製窓もいろいろあるからよく見極めなさい。」
 
本当にありがたい教えでした。
 
>スウェーデン本国仕様の窓についてはこちら
author:Akio Kanaida, category:3層ガラス木製窓, 09:00
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#021 スウェーデン本国仕様の窓とは?
窓一棟分を梱包

Tjena!

「スウェーデン本国仕様の窓」とは、
窓の仕様がスウェーデンと同じで日本で作っているのではなく、
スウェーデンにある窓メーカーから、本国市場へ供給している
窓を日本へ輸入しています。

つまり、住宅先進国と呼ばれているスウェーデンで
実際に今使われている窓そのものです。
スウェーデン製の窓は日本でも流通していますが、
残念ながら、窓の種類やサイズ、仕様も限られてしまいます。

例えば、ブラインド内蔵型の2+1=3層ガラス木製窓や、
外側がアルミで被覆された窓、内開きと内倒しのダブル開閉ができる
ドレーキップ窓など、スウェーデン本国ではかなり前から市場に
流通していますが、日本へはほとんど入ってきていない状態です。

でも、どうして日本へ入ってきていないか?というと、
その「需要」がなかったからです! 日本の住宅は、

もともと断熱などほとんどしていませんでしたし、
高断熱・高気密やペアガラス、樹脂サッシなどの単語も日常で
使われ始めたのは、ついこないだの話しですね。
スウェーデンの窓も、高断熱仕様の窓!というよりは、
オシャレな輸入サッシという意味合いで輸入されていたようです。

しかし最近では、日本の住宅も本格的な省エネ住宅づくりに
取り組み始めており、特に開口部の断熱は最も重要な課題です。
窓をスウェーデン本国仕様にするだけで、住宅の断熱性能は大幅に向上し、
木製サッシによってインテリア性も格段に向上します。

窓の種類やサイズ、仕様は家によって様々です。
しかし、少しお時間を頂ければ、希望の種類とサイズ、仕様を
一棟分だけまとめてお届けする事も可能です。

家を建てる時に、「出来るだけ早く!」、「出来るだけ安く!」と
慌てる方がいますが、この先何十年と住んで行く家ですから、
じっくりと建てて、お金をかけるべき箇所はかけ、
お金をかけなくてもよい箇所は節約し、メリハリのある
予算配分をして欲しいと思います。

そして、建てる過程もじっくりと楽しんでもらいたいと思います。
建ててしまえば、あっという間ですから・・・。

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author:Akio Kanaida, category:3層ガラス木製窓, 09:00
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#020 窓の熱貫流率
3層ガラス木製窓 3層ガラス木製窓の断面

Tjena!

窓の断熱性能は重要!とよく言われますが、
今回はそれを数値で見てみましょう。

一般的に断熱性能は、 熱貫流率(ねつかんりゅうりつ)で比較します。
これはどれだけ熱が貫流するか?を表す値で、
値が小さいほど熱が貫流しない、つまり、断熱性能が高いことを示します。

例えば、アルミサッシの1枚ガラス窓だと、約6.5(w/m2k)です。
これは窓の外と内で1℃温度差があった場合、
1m2当たり6.5w(ワット)の熱が移動してしまうという意味です。

これが樹脂サッシのLow-Eペアガラスでは、約2.8(w/m2k)となり、
熱の移動はなんと半分以下になってしまいます。

ここで、窓の結露も考えて見ましょう。結露は、冬の室内など、
暖かく湿った空気が急激に冷やされる箇所で発生します。
熱を通しやすい1枚ガラスでは、ガラスの内側が冷たい外気に冷やされ
やすいため、結露のリスクが高くなります。

これに対してLow-Eペアガラスでは、冷やされにくいため
そのリスクは低くなります。窓枠材も注意が必要です。アルミは熱を
すぐに通してしまうのに対し、樹脂は熱を通しにくい材料です。

日本の省エネ建材等級で最高値は熱貫流率が2.33 (w/m2k)以下のもの・・・
とありますので、日本では熱貫流率が2.0 (w/m2k)を下回る窓は高断熱です。
しかし、スウェーデンは違います。窓の熱貫流率の標準値といえば、
1.2(w/m2k)であり、高断熱といえば0.8(w/m2k)レベルです。
技術的には0.5(w/m2k)も可能ということです!

同じ「高断熱」でもこんなに違うものなのですね。
窓枠材も木製にこだわるのは、木は熱を通し難い自然素材だからです。

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author:Akio Kanaida, category:3層ガラス木製窓, 09:00
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#019 トップターンの回転窓
トップターンの回転窓

Tjena!

今回はスウェーデン本国で最もよく使われている木製窓をご紹介します。
この窓は、3層ガラスで抜群の断熱性能を誇ります。
面白いのは「トップターン」と呼ばれる開閉方式です。
なんと、窓が回転します。「トップ」は先端、「ターン」は回る
という意味なので、先端が回る・・・といった意味になります。

トップターンの開閉方法

どのように回転するかというと、
まずレバーハンドルを回して窓を外へ押すと、△両態まで開きます。
ロック(固定)解除ボタンを押すと、窓はの状態まで開きます。
窓は、△両態で約16°、で約30°開きますので必要に応じて
使い分けられます。

窓を開けた状態が、日よけの「オーニング」に 似ていることから、
「オーニング窓」とも呼ばれています。
このため、多少の雨が降っても、窓がオーニングとなり雨が
室内に入ってくるのを防いでくれるというわけです。

そして、ここからが重要です。
の状態でロック解除ボタンを押すと、窓はい両態で反転し、
イ両態で固定されます。さらにロック解除ボタンを押すと、
窓はΔ両態まで閉まり固定されます。面白いですね!

でも一体どうして窓を反転させる必要があるのでしょうか・・・?
もうお解かりですね。そうです、ガラス拭きのためです。窓が反転すれば、
外側のガラスも掃除のため簡単に拭くことができるというわけです。

この窓は、構造上、気密が取りやすく、
大きな開口に対応できることも人気の秘密です。

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author:Akio Kanaida, category:3層ガラス木製窓, 09:00
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