RSS | ATOM | SEARCH
#120 スウェーデン製スライドドア
スウェーデンのスライドドア

Tjena!
 
スウェーデンの窓で、
「引き違い」タイプはありませんか?
・・・とよく聞かれます。
 
日本の窓といえば、昔は木製の引き違いですね。
住宅の開口部は、ほとんどが「掃き出し窓」で、
その名の通り、ホウキでゴミを掃き出せるよう、
窓が床面(畳)までありました。
 
さすがに最近は、みなさん掃除機で掃除をし、
ホウキではゴミを掃き出しませんね。しかし、
昔からの名残?なのか、今でも住宅の南面には、
掃き出し窓を取り付けたい!人が多いのです。
 
残念ながら、スウェーデンの窓においては、
引き違いタイプが一般的ではありません。
同じ木製窓の文化なのに不思議ですね。
 
実は、引き違いタイプが普及しない理由は、
窓の気密を確保するのが難しいからなのです。

窓扉がスライドするために構造上必要不可欠な
扉と扉との隙間、扉と枠との隙間、わずかな隙間で
ありますが、ここの気密が取れないのです・・・。
 
窓の気密を取るための基本は、窓の扉と枠とが
圧接され(ある程度の力で押され)、その間に
気密ゴムが挟まれる構造とします。
 
したがって、スウェーデンの窓の開閉方式は、
外開き、内開き、ドレーキップ(内開き&内倒し)、
そしてトップターン(横軸回転)に分類され、
すべて、気密ゴムを挟んで扉と枠とが圧接する・・・
といった構造で高い気密性が確保できています。
 
また、掃き出し窓のような大きな開口は、
開放的で外と内の一体感が得られるものの、
省エネ住宅では以下のデメリットがあります。
 
1. 冬場にガラス面に結露が起きやすい
2. 気密が取りにくい
3. 夏場に日射熱の負荷が大きすぎる
 
しかし、やはり、「大きな開口」はデザイン上、
求められるものですし、開放的な空間を実現するのに
必要なものでもありますね。
 
そこで開発されたのが、3層ガラスの大きな木製窓を
スライド開閉させ、閉める時は、窓扉が枠へと
圧接される構造をした「スライドドア」です!
「へーべ・シーベ」とも呼ばれています。
 
スウェーデンのスライドドア

スライドドアの断面図

スライドドアの断面図 スライドドアの断面図

実際には、引き違いではなく、片引き戸なので、
片面がFIX (固定)で、片面だけ開閉となります。

ただ、片引きといっても、開口を4面に分割し、
2面が開き戸、2面をFIXとすることで、
なんと幅が8mのスライドドアまで可能なのです!
 
スウェーデンのスライドドア

私たちは、無意識のうちに、「窓は引き違い」、
住宅の南面は、「すべて掃き出し窓」としがちです。
 
しかし、省エネ住宅を設計する場合には、今一度、
デザイン上の意味だけでなく、断熱や気密、遮熱性
といった省エネ上の意味も考えながら、
窓の開閉方式まで選択していく必要がありますね。
 
  ∞・∞・∞・∞・∞・∞・∞・∞・∞・∞・∞・∞
 
* Tjena! は、スウェーデン語で「どうも!」の意味です。

「スウェーデン製スライドドア」詳しくはこちら
 
スウェーデン製窓の種類詳しくはこちら
author:Akio Kanaida, category:スライドドア, 09:00
comments(0), -, -