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#199 「外壁ブロック」として取り入れる

スウェーデン住宅の施工

 

Tjena!

 

今回は、スウェーデン本国仕様住宅、KarlsonHus

(カールソン・ヒュース)を参考に、今後の

日本での住宅づくりを考察してみます!

 

スウェーデンの住宅は、基本、

住宅製作工場で外壁ブロックが作られます。

 

窓やドア、断熱材から外装材まで取り付いた

外壁ブロックは、住宅の形状によりますが、

長いもので、810mにもなります。

 

外壁ブロックの重量は、100kg/m

目安となっているので、重いものでは、

800kg1,000kg1トン)です!

 

当然、外壁の仕様によって異なります。

 

外壁の厚みが増せば、重くなりますし、

日本仕様など、厚めの構造用合板を張った

外壁では、さらに重くなります・・・。

 

スウェーデン住宅の施工

 

また、窓やドアでも左右されます。

 

通常の木製断熱玄関ドア(10x21*)は、

単体で90kg程度、3層ガラス木製窓

8x13)は40kg程度、同じ構造で

テラスドア(8x21)は、70kg程度です。

 

*10x21:幅x高さで、10=1m, 21=2.1m

 

テラスドアも両開きになれば、150kg

さらに3層ガラスの大型スライドドア

26x24)は、300kg超となります!

 

スウェーデン住宅の施工

 

ただし、これだけ重くなっても、

工場では、外壁ブッロクを作製する専用の

作業台やクレーンが装備されているので

全く問題はありません。

 

トラックやコンテナへの積み込みも、

フォークリフトを使えば、問題なし!

 

そして現場では、クレーン車を使って

外壁ブロックを吊り上げ、所定位置に

置いて行くので、重量作業もないのです。

 

外壁ブロックは、輸送と積込・荷下ろしが

可能な範囲で長い程に「良し」とされます。

 

スウェーデン住宅の施工

 

可能な限り工場で作ってしまう方が、

無駄が少なく、高い精度も保てるからです。

現場での施工時間も大幅に短縮されます!

 

ちなみに、外壁ブロック以外の部材、

例えば、根太材や屋根のトラス材などは、

予め所定の長さにプレカットされた

状態で現場へ搬入されています。

 

スウェーデン住宅の施工

 

こうして考えると、スウェーデンレベルの

断熱性能をもつ住宅を日本で創造する時、

 

スウェーデンの木製窓や断熱材等を

日本の住宅に個々に取り付ける・・・

 

といった手法よりも、スウェーデンで

「外壁ブロック」として作製してしまい、

それを組み込んで行く・・・

 

といった手法の方が、効果的で、

最も合理的と言えるかもしれません。

 

  ∞・∞・∞・∞・∞・∞・∞・∞・∞・∞・∞・∞

 

* Tjena! は、スウェーデン語で「どうも!」の意味です。

 

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author:Akio Kanaida, category:スウェーデンの住宅, 09:00
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#197 スウェーデン住宅の外壁は二重構造

二重構造の外壁-スウェーデン

 

Tjena!

 

住宅の省エネ性能を上げるには、

断熱性能を上げる必要があります。

 

特に外壁は重要で、断熱をどの程度、

どのように取るか難しい箇所です。

 

例えば、スウェーデン住宅では、

外壁の枠組材に、45x145mm

45x195mmといった断面を使います。

 

外壁の構造は、日本でいうツーバイ工法

(枠組壁工法)で、枠組材が構造と同時に

断熱材を内部に充填できる仕組みです。

 

45x145mmであれば、145mm厚の、

45x195mmであれば、195mm厚の

断熱材をそれぞれ入れられます。

 

ツーバイ工法では、この枠組材に、

構造用合板などの面材を組み合わせると

地震に強い構造になりますね。

 

構造と断熱、両方に強く、まさに

合理的な構造形式と言えるでしょう!

 

これに対し、日本の在来工法では、

主体構造の柱は、105x105mm

120x120mmで、筋交いとの組み合わせで

地震に強い構造となっています。

 

しかし、断熱材を充填する事を考えると、

105mm厚や120mm厚が限界です・・・。

 

そこで、どうするか?・・・というと、

 

この主体構造の内側と外側に横桟を

打って、断熱材を充填します。

 

45x45mmの横桟を使えば、断熱材の

合計は、105+45x2=195mm厚にできます!

 

二重構造の外壁-日本

 

そして、ここが重要なポイントですが、

気密シート(気密層)は、室内側ではなく、

主体構造(105mm)の内側に取ります。

 

こうする事で、室内側に必要な配線や

配管の施工で、気密シートに穴を開ける

必要がなくなる・・・というわけです。

 

実はこれ、スウェーデンの外壁構造と

同じで、スウェーデンの場合、例えば、

45x195mmの枠組材の室内側に、

45mmの断熱を取った二重構造です!

 

二重構造の外壁-スウェーデン

 

断熱材の合計は、195+45=240mm厚。

 

気密シート(気密層)は、195mm

45mmの間に張られ、45mm厚の

スペースは配線・配管用です。

 

最近では、外側にも、45mm厚や

70mm厚の外断熱を付加する事で、

超省エネ住宅が構築されています。

 

日本の在来工法も近い将来、こういった

構造形式になって行くのでしょうね。

 

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#194 外壁の気密の取り方

外壁の防水透湿シート

 

Tjena!

 

省エネ仕様の住宅には、断熱と共に

気密処理がとても重要です!

 

今回は、スウェーデン本国で作られる

住宅の気密の取り方をご紹介します。

 

気密層は、原則、室内側に設け、

0.2mm厚程度の気密シートが張られます。

 

外側は、防水透湿層シートを張って、

防水性能と透湿性能を持たせています。

 

気密層を室内側に設けるのは、冬場の

壁内結露を防ぐためです。これがないと、

室内の暖かく湿った空気が壁内へ

流入してしまうからです。

 

いくら分厚い断熱が入った外壁でも、

外側へ行くほど温度が下がってくるので

壁内のどこかで必ず結露を起こします。

 

これを繰り返すと、外壁の柱(たて枠)

にカビが発生し、木材が腐ってくる・・・

といったメカニズムです・・・。

 

厄介なのは、室内の空気は、暖かい程に

水蒸気をたくさん保有でき、省エネ住宅ほど、

内外温度差が激しくなるといった現実です。

 

スウェーデンでは、室内温:20度に対し、

外気温:マイナス20度となれば、温度差が

実に、40度にもなってしまうのです!

 

外壁の「壁面」に対しては、気密シートで

完全な気密を取ることができます。これは、

すでに工場で外壁ブロックに張られます。

 

外壁ブロック同士の接合部は?というと、

 

専用の「気密ゴム」を挟み込んで、

外壁同士を圧接する仕組みです。後は、

室内側の気密シートで覆えば処理完了です!

 

外壁接合部の気密ゴム 外壁接合部の気密ゴム

 

問題なのは、開口部周囲の処理、つまり、

窓やドア周囲の処理です。建具と壁面とで、

気密を連続させないといけないからです。

 

特に、スウェーデンの木製建具は、何十年と

使っていく機能として、枠が調整できるよう、

窓やドアの周囲に、約10mmのクリアランス

(隙間)を確保し取り付けられます。

 

スウェーデンもその昔、窓やドアの周囲だけ、

冬場にカビで腐るといった問題が起こりました。

 

調査の結果、原因は、室内の湿気(水蒸気)が、

僅かではありますが、この隙間に流入し、

外へ放出される事なく留まっていた事でした。

 

これ以降、開口部周囲の隙間には、外壁の構造と

同じく、断熱材を充填し、室内側は気密処理を、

万が一、流入した水蒸気が外へ放出できるよう、

外側は「防水透湿処理」が原則となったのです。

 

ただしこれは、現場で窓やドアを取り付ける際の

原則であって、住宅の外壁を作っている工場では、

実は、別の手法を取っています!

 

というのは、工場では、窓やドア周囲に

特殊な「気密ゴム」を取り付け、たて枠とで、

窓やドアを圧接する手法なのです。

 

窓周りの気密ゴム 窓周りの気密下地処理

 

これで、断熱・気密処理は完了です!

 

工場で作る外壁ブロックだから成せる技ですね!

 

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#193 木製窓とドアの取り付け

外壁ブロック

 

Tjena!

 

スウェーデンの窓やドアは木製で、

ガラスは、3層断熱ガラスが標準です。

 

これら木製建具は、何十年と使われる事が

想定されているため、かなり重厚です。

 

取り付いた状態では、頑丈な蝶番と

専用金具によって、開閉操作は軽いものの、

問題は、その「取り付け」でしょう。

 

なぜなら、スウェーデンの木製建具は、

通常の窓本体での重量が40kg程度、

ドア本体で80kg程度、テラスドア等は

100kgオーバーなのです・・・。

 

実際のところ、窓の扉(障子)は

枠から取り外す事ができるので、

取り付け時の重量は分散されます。

 

それでも、日本の一般的な樹脂サッシ

と比べるとかなり重いですし、

取り扱いが大変なのは事実です・・・。

大工さん泣かせな建具であるのです。

 

一方、スウェーデンでは、

どうなっているのでしょうか?

 

スウェーデンの大工さんは力持ち・・・

だから、問題ないのでしょうか?

 

いやいや、そんな事はなく、やはり、

こんな重量級の木製建具を、住宅の

「現場」で取り付けたら大変です。

 

実は、スウェーデンでは、窓やドアを

現場で取り付ける事がほとんどありません。

 

窓やドアは、住宅の製作工場

(主に外壁ブロックを作る工場)

で取り付けられているのです!

 

工場には、窓やドアを吊り上げるクレーンが

あって、水平に寝かせた状態の外壁に

窓やドアを取り付けていくので「重量」は、

さほど問題にならない・・・わけです。

 

住宅の外壁に取り付けられる窓やドアは、

住宅の現場ではなく、外壁を作っている

工場へとデリバリーされています。

 

窓の梱包 玄関ドアの梱包

 

木製建具は、パレットに載った状態で

梱包されているので、フォークリフトで

簡単に移動できるのです。

 

窓やドアは、外壁に取り付けるだけでなく、

窓とドア周囲の断熱・気密処理も施し、

額縁や水切り材、外装材まで取り付けます。

 

外壁の長さは、住宅の形状によりますが、

4mから8mくらいはあります。

この完成状態の外壁を「外壁ブロック」

と呼び、重量は100kg/m程度になります。

 

という事は、4mから8mの外壁ブロックは、

400kgから800kgになる計算です。

 

外壁ブロック 外壁ブロック

 

しかしながら、これだけ重くなっても、

工場ではクレーンを使って移動し、輸送用の

トラックやコンテナ車に積載するので

木製建具の重さも問題とならないのです。

 

しかも、住宅の現場では、外壁ブロックを

クレーン車によって組み立てて行くので、

大工さんも重い建具を移動する事ない・・・

というわけですね。

 

なるほど、実に合理的なシステムです!

 

 ∞・∞・∞・∞・∞・∞・∞・∞・∞・∞・∞・∞

 

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#190 手間と労力をかける外壁ブロック

住宅の外壁ブロック

 

Tjena!

 

スウェーデン本国仕様の住宅は、

スウェーデンの住宅工場で作製されます。

 

住宅本体の構造は、大きく分けて4つあり、

 

床根太組(1F2F

外壁ブロック(1F2F

内壁ブロック(1F2F

屋根組

 

で構成されています。

 

これらはすべて、住宅工場で作られ、

現場ではこれらを組み上げるだけです。

 

一般的な2階建住宅では、3日程度で

屋根の防水処理まで終わります。

 

日本と違うのは、この段階で、すでに、

窓やドア、断熱材、外装材までもが

仕上がった状態となります!

 

床根太組や内壁ブロック、屋根組は、

材がプレカットされ、簡易的に組み上げられ

ている程度ですが、外壁ブロックは、

ほぼ全ての作業が工場で完了されます。

 

これが本来の「Prefabricated House」で、

日本人が想像してしまう「プレハブ住宅」

とは全く別次元のものなのです・・・。

 

例えば、外装材の仕上げを見てみると、

ほとんどが手作業で、多くの手間と労力が

かかっているのがわかります。

 

住宅の外壁ブロック

 

特に、窓やドア周りの造作は、たくさんの

部材を立体的に組んでおり、その結果、

スウェーデン住宅独特の重厚感が生まれます!

 

住宅の外壁ブロック 住宅の外壁ブロック

 

外壁ブロックは、断熱材が隅々まで充填され、

窓やドア周りの気密処理も行われます。

 

住宅の外壁ブロック 住宅の外壁ブロック

 

もし、これらの作業を、すべて

現場で行ったらどうでしょうか?

 

もっと時間がかかってしまうでしょうし、

工場のように均一な精度で仕上げられないでしょう。

 

実際に鉛直に取り付ける外壁も、実は、

工場では水平に寝かせて作られていきます。

作業に必要な、すべての材料と工具、

機材がそこには揃っているのです。

 

そしてなんと言っても、住宅工場内は

年間を通して、快適な作業環境なのです!

 

どうしてこのような方法が発達したのか?

 

と考えると、スウェーデンの長い冬は、

寒くて暗く、屋外の現場で、日本のように

住宅をまともに作れなかったからでしょう。

 

だから、工場で、可能な限り住宅を

作ってしまい、住宅本体構造の組み上げ時間

(現場での屋外作業)を短くしているのです。

 

さらに驚くべきことは、住宅の組み上げ後、

室内は、断熱・気密処理がほとんど完了

している・・・ということです!

 

つまり、寒い冬でも、暖房を付ければ、

室内は暖かく、快適な環境となります。

 

その後に続く、階段やフローリング、

キッチンの取り付け、電気や設備工事も

効率が良くなる・・・というわけですね。

 

  ∞・∞・∞・∞・∞・∞・∞・∞・∞・∞・∞・∞

 

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