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#102 スウェーデンの建材センター その3
建材の加工場

Tjena!
 
スウェーデンの建材センターには、車が入り込める
加工場が併設されています。材木や板などでカットが
必要なものは、店員も作業を手伝ってくれます。
 
大きな材木や板、建材、断熱材、屋根材等は
倉庫に置いてあります。倉庫に車を入れ込めば、
フォークリフトを使って購入した建材を積み込めます。
利用者の多くは、車に荷台をけん引して来店します。
けん引車はお店で借りることもできます。
 
専門業者だけでなく、一般の方も多いので驚きです!
日本でも、スウェーデンの大型家具店IKEA(イケア)が、
梱包された家具を、自分で倉庫に取りに行くシステムを
とっていますが、お客が自ら必要な商品を探して、
自ら車に積んで運び、自ら取り付けていく・・・。
よく考えると、なんとも合理的なシステムですね。
 
これに対し日本では、これら全てを業者が行っています。
そこに多くの「仕事」が生まれているわけですが、
一方で、自ら住宅のリフォームに全く関与しないことは、
住宅に対する知識が薄れてしまい、人生の買い物で最も
高価であろう住宅の価値判断ができなくなってしまいます。
 
例えば、この建材センターには、驚くことに、
外壁や天井、床の断面が見える実大模型まであります!
「住宅の構造はこうなっていますよ。ここには、
このような部材が使われていて、その理由は、これこれ
こういうわけだからですよ。」と一目瞭然なのです。
 
構造実大模型 構造実大模型 
 
外壁・天井・床の構造:
外壁・天井・床の実大模型では、各構造と断熱方法や
透湿防水シートの位置、外装材の取付け方などを示しています。
ここで使われている断熱材は、ロックウールです。確かに、
これをよく観察すれば、自分で出来そうな気がします・・・。
 
構造実大模型 構造実大模型

外壁内側と床の構造:
外壁内側の構造は、断熱材、気密シート、プライウッド、
石こうボード、壁紙が取付けられています。ここでは、
コンクリート床でタイル仕上げの例が示されています。
 
軽量ブロック造の場合であれば、コンクリートは、
温度・湿気を通しますので、必ず耐湿用シートを用います。
壁の黒いのと、床の青いのがその役割をしています。
 
材質はポリプロペンで表面に凹凸があり、
ここで湿気を止めて、凹凸を利用して湿気を面に流します。
屋外用もあり、特に地下室の外周部分に用いられています。
 
構造実大模型 構造実大模型

地下室外周と基礎の構造:
日本では馴染みありませんが、地下室外周部分の構造もあります。
黒いのが耐湿用シートで、ちょうどこの部分が地面下になります。
このシートで湿気をシャットアウトし、シートの凹凸を利用して、
湿気は上へ蒸発するか、下へ滴ります。基礎外周には、
排水ドレーン(ここでは赤色のもの)が敷かれ、下へ滴った水は、
このドレーンにて排水される仕組みです!
 
コンクリート基礎の外側には、断熱兼透水材が取付けられ、
同様にしてドレーン(ここでは黒色のもの)にて排水されます。
こうして建物を湿気・水から守っているのです。
 
建材センターには、親と一緒に子供も来ています。このような環境が、
スウェーデン式住宅の教育と言えるのかもしれません・・・。
 
  ∞・∞・∞・∞・∞・∞・∞・∞・∞・∞・∞・∞
 
* Tjena! は、スウェーデン語で「どうも!」の意味です。
 
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author:Akio Kanaida, category:リノベーション, 09:00
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#098 旧駅舎のリノベーション その2
旧駅舎のリノベーション

Tjena!
 
リノベーションが頻繁に行なわれている
スウェーデンですが、新築では出せない魅力が
その一番の特徴です。
 
例えば、築30年の中古住宅の販売価格が、
同規模程度の新築住宅とさほど変わらない・・・
といったことは、日本では非常識ですね。
 
なぜなら、30年の中古住宅は古臭く、
土地はともかく、建物には価値がない!といった
イメージが日本人には染みついているからです。
 
しかし、スウェーデンの中古住宅を体感すると、
30年程度のものでは、新築時の建材がそのまま
使われており、経年劣化をあまり感じません。
 
100年程度になると、当時の構造体や建材で、
現代では失われてしまった「つくり」は、
できるだけ残し、当時にはなかった現代の性能
(断熱・気密、換気システム)を取り入れています。
 
当時の古典的な空間に、現代のインテリアや家具が
組み合わされることで独特の魅力も出ています!
これが、新築では出せない魅力・・・ですね。
 
そんな視点で、旧駅舎がリノベーションされた
”Godsmagaginet”の事例を見てみると、確実に、
このリノベーションによって、建物の魅力(価値)
上がっていることがわかります。
 
例えば、簡易的な壁を設け照明を点けるだけで、
ノスタルジックな展示スペースになってしまいます。
古いレンガ壁とアーチ窓も演出を飾っています。
 
窓下には、白く細長い温水ヒーターが設置されており、
建物の暖房をしています。これだけで十分暖かいのは、
リフォームで付加された断熱・気密のお陰です。

旧駅舎のリノベーション
 
建物に数ヶ所ある出入口が、各店舗のエントランスです。
出入口の内側には、当時の駅舎で使われていたと思われる
古い吊り引戸が今も残っています。使用されていませんが、
これもインテリアの重要なアイテムの一つです。
 
窓は2重窓になっています。外側の窓は、当時の駅舎で
使われていたもののようで、古いデザインのガラスです。
内側の窓は、後から取り付けられたものです。

旧駅舎のリノベーション 

窓をすべて新しい現代のものに交換してしまうのではなく、
古い窓をデザインの一部として残し、内側にもう1つ窓を
付けることによって、窓の断熱性を高めています。
冬であっても、もちろん窓に結露は生じていません!
 
この建物は、駅舎だった外部空間を、店舗という
内部空間にするために、暖房設備や換気システム、
給水管等を後付けしていますが、それらを壁で覆って
隠してしまうのではなく、そのまま現しにしています。


 
天井を見上げると、換気システムのダクト管も現しです。
すると、それも空間のアクセントと感じてしまいます。
 
建物の魅力(価値)を上げるリノベーション!
使われずに放置された住宅や建物が増加している今、
日本では、新たな事業となりそうです・・・。
 
  ∞・∞・∞・∞・∞・∞・∞・∞・∞・∞・∞・∞
 
* Tjena! は、スウェーデン語で「どうも!」の意味です。
 
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author:Akio Kanaida, category:リノベーション, 09:00
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#097 旧駅舎のリノベーション
旧駅舎のリノベーション

Tjena!
 
スウェーデンでは、リノベーションが頻繁に
行われています。住宅のみならず、様々な建築が
これによって新しいものに生まれ変わります。

1800年代の住宅や多くの歴史的建造物が、
今もなお健在し、現在のものと変わらぬ建築性能
を持っているのは、このリノベーションが
大きな役割を担っているからです。
 
リノベーションは大きく2つあります。

1つは、内装や外装を変えたり、デザインを
一新したりするリノベーションです。
いわゆる、リフォームのような感じです。
もう1つは、構造補強、断熱・気密の付加、
換気システムの設置といったリノベーションです。
 
特にこの後者が、スウェーデンの住宅や建築が、
高い資産価値を保持している要因でもあります!
 
日本では、空き家が増加傾向にあり、
深刻な社会問題化となっていますが、
リフォームにとどまらず、構造補強を行い、
断熱・気密を付加し、換気システムを設置する・・・
といったリノベーションがもっと一般化すれば、
住宅の耐用年数も増え、資産価値も上がるでしょう。
 
スウェーデンが、ここまでリノベーションを
頻繁に行い、しかもそれが「事業」となっている
理由は、新築では出せない魅力があるからです!
 
旧駅舎のリノベーション 旧駅舎のリノベーション

例えば、私の住んでいたUppsala(ウプサラ)の
駅裏側には、旧駅舎がリノベーションされた
”Godsmagaginet”という建物があります。
 
この旧駅舎は、1900年ごろ建てられたもので、
新駅舎の完成後からは使われていませんでした。
それが現在は、スウェーデン得意のリノベーション
によって生まれ変わり、多くの人で賑わっています。
 
このエリアは、再開発されて大きな商業施設が
建設されましたが、全部を壊してしまうのではなく、
歴史ある造形物は尊重して残されているのです!
 
外観は駅舎を彷彿させるレンガ造りで、
開口上部のアーチ曲線が特徴です。

建物側面部の大きな窓や、現在の出入口と
なっている開口部は、以前からある古い窓の
デザインに合わせて後から取り付けられたもので、
意識して塗り分けたのか、古い窓は白塗り、
新しい窓は黒塗りの枠とされています。

旧駅舎のリノベーション
 
この建物には、デザイナーによる麻の服や陶器、
ガラス、雑貨のお店、軽食も取れるカフェがあります。
オシャレなジャズレストラン・バーも入っています。
 
カフェは、ちょうど建物の中央に位置しており、
簡単な厨房とトイレが隣接していて、そこに
キッチンフードや建物の換気システムといった
設備系を一つの部屋として納めています。

旧駅舎のリノベーション
 
レストラン・バー以外のお店は、一体の連続し
空間で広々として、屋根構造のトラスは「表し」です。
構造の茶色と、内壁の白色のコントラストによって、
古い建物の中でも、どこかモダンな印象なのです。

これこそが新築には出せない魅力であり、リノベーション
された建物が選ばれ続けられる理由なのでしょう・・・。
 
  ∞・∞・∞・∞・∞・∞・∞・∞・∞・∞・∞・∞
 
* Tjena! は、スウェーデン語で「どうも!」の意味です。
 
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author:Akio Kanaida, category:リノベーション, 09:00
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