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#018 外断熱のオフィスビル
外断熱のオフィスビル
 
Tjena!

スウェーデンで仕事をしていた時、
ちょうど隣に新しい オフィスビルが建設されました。
構造はRC(鉄筋コンクリート)造で地上5階建てです。

スウェーデン住宅の断熱性が高いことは有名ですが、
スウェーデンでは、住宅に限らず、建築物はすべて高断熱仕様です。
なぜなら、冬に外の寒さが厳しいことは変わりありませんし、
オフィスビルのような大きい建物程、断熱性を高くしないと、
暖房エネルギーがものすごくかかってしまうからです。

ただし、断熱方法が住宅と異なります。
住宅の場合、ほとんどが木造で、断熱材(ロックウールなど)を
壁の内部に充填できます。これを「内部断熱」と呼びます。

これに対し、このオフィスビルのようなRC造では、
壁全体がコンクリートであり構造体となっているため、
木造のように断熱材を入れ込めません。

そこでどうするかというと、外壁の外側に断熱材を貼付けます。
これを「外断熱」と呼びます。このオフィスビルでは、
15cm程度のロックウール(黄緑色のもの)で外断熱しています。

スウェーデンや欧米では「外断熱」が常識です。コンクリートは、
熱を通してしまう素材なので、外側に断熱をすることで、
コンクリートを保護し、室内側の結露が発生しにくくなるからです。

驚くことに、日本では「内断熱」が一般的です。
「内断熱」とは、コンクリートの室内側に断熱材を貼付ける方法です。
「外断熱」に比べ、簡単に安く施工することが可能です。

しかし、同じ断熱をするのでも、コンクリートの内側と外側とでは、
大きな違いがあります。計算上の断熱性能は同じでも、
「内断熱」の方が、結露発生の危険率が高まってしまうのです。

例えば外気温が低い冬の場合、「外断熱」だとコンクリートは、
断熱材で包まれているので、コンクリートの温度はさほど下がりません。
しかし、「内断熱」だとコンクリートの温度が外気温近くまで
下がってしまうため、室内側で結露が発生しやすい状態となります。

このため、「内断熱」のRC造は、断熱性能は高くても、
室内側の壁内部がカビでボロボロになったり、コンクリート内部の
鉄筋が錆びて強度が低下しているなど深刻な問題が発生しています。

最近では、日本でも「外断熱」のRC造が出てきましたが、
それでもなお、ほとんどは、「内断熱」のままです・・・。
「外断熱」は費用もかかります。施工も面倒くさいです。
「内断熱」で施工しても、この問題を指摘する人もいないのでしょう。

これは、いわゆる、「手抜き工事」にも日本では該当しません。
建築費用を抑えることも大事なことですが、
今一度、これまでの慣習を疑ってみる余裕が欲しいものです。

日本で常識なことが、世界では非常識なことはたくさんあるからです。

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author:Akio Kanaida, category:スウェーデンの建築, 09:00
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